『中高生の東大英語』LEVEL 2-1 クロスワードパズル史

 

以下は、

東京大学2011年度前期入学試験(文理共通)英語4(B) に出題された英文である。

 

次の四文章を、

一文章ごとに一読してからノートに書写し、

【語意とポイント】【構造分析のヒント】だけを用いて、

文章の構造分析し、直訳記述しなさい。

そのあと、一文章ごとに、

次の【問題】の下に続く【解答】で答え合わせをしなさい。解説も熟読すること。

 

  

『中高生の東大英語』LEVEL 2-1 クロスワードパズル史 2011/4B

LEVEL2-1クロスワードパズル史
LEVEL2-1クロスワードパズル史

 

【問題1

 

Although now scarcely remembered as an event of any cultural significance, the arrival of the crossword puzzle in 1924 may be seen as marking a new kind of relationship between the educated public and the vocabulary of the English language.

 

【語意とポイント1
Although[if系語]けれども  now今では  scarcelyほとんど~ない  rememberedはremember[動詞]思い起こすゥ の{過去形、過去分詞}  as{なので、時、につれて、ながら、のように、として、けれども}  event出来事  ofを含んだ  anyどんな~も  cultural文化的な  significance重要性  ,(コンマ)  arrival出現  ofの  crossword puzzleクロスワードパズル  inの  1924:1924年  may[can系語]{してよい、かもしれない}  be seen見なされる…be 過去分詞:れる…seenはsee「見なす」の過去分詞  as{同上}  marking{印している、印すること}…mark[動詞]印するゥ…動詞ing{ている、こと、省略}  a new kind of新しい種類の  relationship結び付き  between A and B:AとBの間の  educated教養のある  public大衆  andと  vocabulary語彙  ofの  the English language英語  .(ピリオド=文章の末尾)。(句点)

 

【構造分析のヒント1

述語の(丸)2つ…… 文と文を分断する | 棒1本……on系語の<三角>8つ

 

 

 

  

【問題2】 

 

It started as a newspaper trend, promoted by the offer of cash prizes, but it soon established itself as a national tradition, confirmed by the introduction of the first daily crossword in The Times, a British newspaper, in 1930.

 

【語意とポイント2
It{それ、こと、訳さない、強調}  started[動詞]始まった  as{なので、時、につれて、ながら、のように、として}  a newspaper trend新聞での流行  ,(コンマ)  promotedはpromote[動詞]促進するゥの{過去形、過去分詞}  byによって  offer提供  ofの  cash現金の prizes賞  ,(コンマ)  but[if系語]しかし  it{同上}  soonすぐに  established itself浸透した…establish[動詞]を定着させる…itselfそれ自身  as{同上}  national国民的な  tradition伝統  ,(コンマ)  confirmedはconfirm[動詞]強めるゥの{過去形、過去分詞}  byによって  introduction導入  ofの  the first最初の  daily毎日の  crosswordクロスワードパズル  inにおける  The Times, a British newspaper英国の新聞『タイムズ』  ,(コンマ)  inの  1930:1930年  .(ピリオド=文章の末尾)。(句点)


【構造分析のヒント2
述語の(丸)4つ……文と文を分断する | 棒3本……on系語の<三角>8つ

 

 

 

 

【問題1 解答】

構造分析
Although now scarcely (remembered) <as> an event <of> any cultural significance, | the arrival <of> the crossword puzzle <in> 1924 (may) be seen <as> marking a new kind <of> relationship <between> the educated public and the vocabulary <of> the English language.
直訳
どんな文化的な重要性を含んだ出来事としても今ではほとんど思い起こされないけれども、1924年のクロスワードパズルの出現は、教養のある大衆と英語の語彙の間の新しい種類の結び付きを印することとして見なされるかもしれない。
解説

Although now scarcely (remembered)「今ではほとんど思い起こされないけれども」
この remembered は過去分詞。本来の形は、

Although the arrival of the crossword puzzle in 1924 (is) now scarcely remembered で、

the arrival of the crossword puzzle in 1924 (is) が省略された、

省略ing第6章 難関 4 ing)をふくむ一文章の一種です。

省略ing をふくむ文章に限って、述語は、過去分詞や動詞ing を(丸)で囲みます。

この英文のように、「けれども」等の意味を明確にするために、

Although 等の if系語 が省略されずに、一文章の先頭に置かれることは、希ではありません。

 

 


   

【問題3】この一文章全体が「和訳せよ」問題なので、直訳のあと、和訳も記述してみよう。

 

Whether there is a connection between enthusiasm for the crossword and the 1930s boom in detective fiction, with its obvious puzzle-solving appeal, can only be guessed at.

 

【語意とポイント3
Whether[if系語]{かどうか、~だろうと…だろうと}  there isがある  connection関係  between A and B:AとBの間に  enthusiasm熱狂  for{にとって、対して、向かう、間、のため、というのは}  crosswordクロスワードパズル  and{と、そして} the 1930s boom 1930年代のブーム  inの  detective探偵  fiction小説  ,(コンマ)  withを持っている  itsその  obvious明白な  puzzle-solving謎解きの…puzzle謎…solve解く  appeal魅力  ,(コンマ)  can be 過去分詞:されうる  onlyだけ  be guessed at推測される…guessedはguess[動詞]推測するゥの過去分詞  .(ピリオド=文章の末尾)。(句点)

 

【構造分析のヒント3
述語の(丸)1つ……文と文を分断する | 棒0本……on系語の<三角>5つ

 

 

 

 

【問題2 解答】

構造分析
It (started) <as> a newspaper trend, | (promoted) <by> the offer <of> cash prizes, | but it soon (established) itself <as> a national tradition, | (confirmed) <by> the introduction <of> the first daily crossword <in> The Times, a British newspaper, <in> 1930.
直訳
それは新聞での流行として始まり、現金の賞の提供によって促進された、しかしそれは国民的な伝統としてすぐに浸透し、1930年の英国の新聞『タイムズ』における最初の毎日のクロスワードパズルの導入によって強められた。
解説
promoted と confirmed の直前に and it was が省略されています。
これを補い、文と文を分断する棒 |述語(丸)を記入すると、次のようになります。

 

It started as a newspaper trend, and it was promoted ~
→It (started) <as> a newspaper trend, | and it (was) promoted ~

 

it soon established itself as a national tradition, and it was confirmed …
→it soon (established) itself <as> a national tradition, | and it (was) confirmed …

 

つまり、promoted と confirmed はどちらも過去分詞。これらは、【問題1】と同様、省略ing の一種なので、元の文章では、promoted と confirmed を述語の(丸)で囲みます。

  

 

 

 

【問題4】From から replace まで「和訳せよ」問題。直訳のあと、一文章全体の和訳も記述しよう。 

 

From their newspapers, readers were thus sent hurrying to dictionaries, which libraries complained they had repeatedly to replace because they were being roughly handled or even stolen by crossword lovers.

 

【語意とポイント4
From A (to B):Aから(Bへ)  their{彼らの、それらの}  newspapers新聞  ,(コンマ)  readers読者  were 過去分詞:れた  thusザスかくして  sentはsend[動詞]させるゥの{過去形、過去分詞}…send ~ing:~させる…hurryingはhurry[動詞]急ぐゥ+ing  (from A) to B:(Aから)Bへ  dictionaries辞書  , whichしかしそれを  libraries図書館  complained[動詞]嘆いた  they{彼らが、それらが}  had toねばならなかった…repeatedlyたびたび…replace[動詞]取り替えるゥ  because[if系語]というのは  they{彼らが、それらが}  were being 過去分詞{れていた、れることだった}  roughlyラフリ乱暴に  handledはhandle[動詞]扱うの{過去形、過去分詞}  orあるいは  evenさえ  stolenはsteal[動詞]盗むゥ  by{によって、までに、そばに}  crosswordクロスワードパズル  lovers愛好者たち  .(ピリオド=文章の末尾)。(句点)


【構造分析のヒント4
述語の(丸)4つ……文と文を分断する | 棒3本……on系語の<三角>3つ

 


 

 

 

【問題3 解答】

構造分析
Whether there is a connection <between> enthusiasm <for> the crossword and the 1930s boom <in> detective fiction, <with> its obvious puzzle-solving appeal, (can) only be guessed <at>.
直訳
クロスワードパズルに対する熱狂 と その明白な謎解きの魅力を持っている探偵小説の1930年代のブーム の間に 関係があるかどうかは、推測されうるだけである。
和訳例
クロスワードパズルへの熱狂と、明らかに謎解きの魅力を持っている探偵小説が1930年代にブームになったこととの間に関係があるかどうかは、推測の域を出ない。

解説

第1章 述語を見抜く1…述語が1つ で学んだ、述語を見抜くと英語が見える、典型的な一文章です。

述語を見抜くアルゴリズムを確認してみましょう。

 

(1) 先頭から視線を右へ移動して、最初に登場する動詞 is を(丸)で囲んでみます。

(2) その直前までの語群 Whether there を「~は」と言い切れるかどうか考えると、言えません。

(3) そこで、さらに視線を右へ移動して、is の次に登場する動詞か can系語を探します。

(4) すると遙か後方に can が見つかるので、can を(丸)で囲み、

(5) その直前までの語群 whether …… appeal, を「~は」と言い切れるかどうか考えると、言えます。

(6) よって、述語は (can) であることが判明します。

 

以上から、この一文章の基本構造は、次のようであることがわかります。

 

Whether there is A (can) only be guessed <at>.

「Aがあるかどうかは、推測されうるだけである。」

 

A = a connection <between> enthusiasm <for> the crossword and the 1930s boom <in> detective fiction, <with> its obvious puzzle-solving appeal

 

A の内部構造は、<between> B and C「BとCの間に」 がポイントです。


B = enthusiasm <for> the crossword
C = the 1930s boom <in> detective fiction, <with> its obvious puzzle-solving appeal

 

和訳例の解説
和訳例「クロスワードパズル……かどうかは」は、直訳のごく一部を書き換えるだけで成立します。
和訳例「推測の域を出ない」を入試本番で思いつかなくても、直訳「推測されうるだけである」で合格最低点は確保できるでしょう。

 

 

 

 

【問題4 解答】

構造分析
<From> their newspapers, readers (were) thus sent hurrying <to> dictionaries | , which libraries (complained) | they (had) repeatedly to replace | because they (were) being roughly handled or even stolen <by> crossword lovers.
直訳
彼らの新聞から、読者はかくして辞書へ急がされた、しかしそれを図書館は嘆いた、彼らはたびたび取り替えねばならなかった、というのはそれらはクロスワードパズル愛好者たちによって乱暴に扱われていた、あるいは盗まれさえしたので。
和訳例

かくして読者は新聞から辞書へと急いだが、図書館は辞書をたびたび買い換えねばならないと嘆いた。というのは、辞書がクロスワードパズル愛好者たちに乱暴に扱われたり、盗まれさえしたからだ。
 

 

 

 

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